表題番号:1997A-522 日付:2011/05/05
研究課題18世紀中葉から後期にかけての英国議会の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 助教授 松園 伸
研究成果概要
本特定課題助成費の支給によって、18世紀英国議会関係の史料を購入することができた。また国内での大学、研究施設の史料を閲覧した。その結果、18世紀初期において「最初の政党時代」として英国に現れた政党政治が、その後急速に解体していく過程を中央、地方の両方の面から解明した。しかしその一方で、18世紀後半にいたってもなお(その内容はかつてとは大きく異なっていたとはいえ)ヴィッグ主義、トーリー主義といわれる政党の原理、原則が残存していたことをみた。
 第二に18世紀中葉から後半にかけての英国議会での上下両院における議事手続などを考察することを通じて、議会がそれ以前よりますます経済、産業の発展のために活発な審議を行い、たとえば私法律の形で運河、有料道路建設、農林漁業の振興などを図っていたことを明らかにした。また産業化の進行に伴い都市の貧民増大を背景に議会、政府はすでに社会政策的な施策を始めていたことをみた。
研究成果の発表
1999年 産業社会の発展と議会政治―18世紀イギリス史(単行本、早稲田大学出版部1999年2月刊行予定)