表題番号:1997A-519 日付:2002/02/25
研究課題芸術家カジミール・マレーヴィチを中心としたロシア・アヴァンギャルドにおける抽象の問題
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 助教授 大石 雅彦
研究成果概要
1)資料収集―1997年の8月末から9月初めにかけて、ロシアの都市(モスクワ、ペテルブルク、ヴィテブスク、キエフ)を訪れ、マレーヴィチに関する資料を50点ほど集めるとともに、当地の研究者と情報の交換を行いました。
2)執筆を進めているマレーヴィチのモノグラフのうち、今年度は、第一章「マレーヴィチという問い」、第二章第一節「絵画という<システム>と<付加的要素>」を執筆しました。400字詰原稿用紙に換算すると、その量は350枚程度になります。第一章は、マレーヴィチが画家であるよりも、むしろ絵画を根底から問う一つの問い、問題構制であることを明らかにし、その<問い>が20世紀の絵画史の中でどのように展開されてきたのかを跡づけています。第二章第一節は、マレーヴィチの抽象が造形行為である前に、まず思考としてあることを闡明するとともに、彼の概念<付加的要素>をとおして、印象主義からスプレマチズムまでの絵画史をたどっています。
研究成果の発表
2001年3月(予定) 人文書院、『無対象世界――カジミール・マレーヴィチ(仮)』