表題番号:1997A-389 日付:2002/02/25
研究課題日本語教育における学習者主体の意味と課題
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語研究教育センター 教授 細川 英雄
研究成果概要
本研究では、ことばの文化はどのように体得されるかという問題をテーマとして、学習者主体のクラス活動によって、学習者一人一人がその言語習得のプロセスにともない文化体得がどのように行われるかを観察・分析した。
 具体的な作業としては、1997年度日本語研究教育センター「日本事情1日本の社会」において学習者の発言を記録し、学期末提出レポートについて分析を行った。この結果、コミュニケーション活動によって体得されるものは、社会集団としての文化知識ではなく、対人相互関係としての文化能力であることが明確になった。また、こうした活動能力は、コミュニケーションによる思考活動とも深い関係があり、個の多様性やその変容を積極的に認めていくことによって、むしろ社会集団における同一性や画一性を見出す従来の文化研究とは異なる視点が明らかになった。
研究成果の発表:1997年10月 目的達成のためのコミュニケーションをどう位置づけるか-言語文化行動の意味と課題-語研フォーラム7号(早稲田大学語学教育研究所)/1998年6月 ことばと文化はどのようにして体得されるか-プロジェクト活動の達成と課題-日本語研究教育センター紀要11号