表題番号:1997A-378 日付:2002/05/10
研究課題分散協調ネットワーク運用・管理メカニズムの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学総合研究センター 教授 浦野 義頼
研究成果概要
インターネットの進展に伴い、各国で、ベスト・エフォート・サービス型情報通信ネットワークが導入されようとしているが、従来この種のネットワークの特性については十分な研究がなく、その効果的運用管理技法の確立が求められていた。
 本研究では、まずベスト・エフォート・サービス型情報通信ネットワークの特性、ネットワーク利用者の振る舞いなどの調査研究を行なうとともに、ネットワーク利用者と提供者の連携を前提とした分散協調型ネットワーク運用・管理メカニズムならびに、運用管理アルゴリズムを検討した。具体的には、ネットワーク提供者と利用者間、利用者間、提供者間の連携を強調と競争とするモデルを構築し、ネットワークリソースの配置の最適化メカニズムを検討した。
 次いで前述したネットワークリソースの最適化メカニズムを具現化するために、交渉能力を有する通信エージェント(知的エージェント)の連携による分散協調型ネットワーク運用・管理方式の概念を得た。現在、これらの知的エージェントを実現すべく、エージェントシステムを構築中である。本システムはJavaで記述されており、Javaの実行環境を備えたホストであれば、OSなどに左右されず動作する特徴を有するものである。今後は、エージェント間の交渉能力など、より高度のインテリジェンスを付加することにより、提案メカニズムの実現を図り、その方式評価を行う予定である。