表題番号:1997A-373 日付:2002/02/25
研究課題人口密度分布と人為的な気候変化によるモンスーン・東アジアの陸上生態系への影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 助手 太田 俊二
研究成果概要
生態学的な関心として、近年人為的な気候変化による陸上生態系への影響評価に関する研究は増加してきているが、社会科学的な発想とのリンクされた研究は少ない。本研究では、人間活動を人口の関数として表現する手法をとり、人口が増加すればするほど森林面積は減少するという仮定をモデル化した。このモデルをモンスーン・東アジアを緯度経度1度に区切ったデータベースを使って応用したところ、インドネシアの森林面積の社会統計値と極めてよい一致を示した。
 同様に、東経70度~150度、南緯10度~北緯50度(18.99× 106km2)までに対して適用したところ、人間の影響のない潜在森林面積(13.67× 106km2)に対して72%まで低下して、6.59× 106km2となり、気候変化を考慮しないで、人口という関数を考慮するだけで、約28%の森林が無くなっていることがわかった。また、全面積に対してこの地域の森林面積はおよそ35%程度に留まっている。
 一方、気候変化を考慮して全面積の植物生産力を計算したところ、将来の気候変化時にはモデルにより15%~30%の地域で植生が大幅に混乱し、現存の植生が存在不可能な状態になることが予測できた。
研究成果の発表
1998年3月 Estimation of human impacts on the plant production in Monsoon East Asia. The Earth's Changing Land, GCTE-LUCC Open Science Conference