表題番号:1997A-361 日付:2002/02/25
研究課題遊びの文化誌―ヨーロッパ民衆文化の精神世界
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 蔵持 不三也
研究成果概要
蔵持はこれまでヨーロッパの民衆文化をさまざまな角度から追究してきたが、本研究もまた現地調査(=共時軸)と文献・資料収集(=通時軸)という、二通りの方法によってなされた。すなわち、1997年6月下旬から7月上旬にかけて、アルザス地方南部の小村スルツバック=レ=バンで実施した祝火慣行を初めとして、これまで調査してきたさまざまな祝祭に随伴する《遊び》の諸相を総括した。また、アルザス地方の県立古文書館や大学図書館などで収集した一次資料はもとより、研究誌所収の論文や研究書は、いずれもこれら遊びの歴史的形態や受容、社会的意味、さらに地理的分布などをあとづけ、解明する上で決定的に重要なものである。
 現在、分析作業はなお進行中であるが、こうした一連の作業によって、《遊び》を通してヨーロッパ民衆文化の精神世界を解読するという、所期の目標がかなり達成できるものとの期待がある。いずれ本研究の成果は、単行書として上梓されることになっているが、すでにその一端は、各種研究誌や学術書(印刷中のものを含む)、さらには、1997年9月にアテネで開催された「ヨーロッパ民族学会」の基調講演でも発表されている。
研究成果の発表
1997年6月 「愚行のオントロジー」、《is》、vol.76
1997年7月 「パロディック・リアリズム」、《体育の科学》、47-7
1998年6月 「フランスの遊び」、『世界遊戯大事典』、大修館
1998年11月 「ヨーロッパの民族学」、『日本民俗学大系』、雄山閣
2000年5月 「カルナヴァルと祝祭空間」、『朝日世界の百科』、朝日新聞社(刊行予定)
1997年9月 「アルザスの祝祭と遊び」、第10回ヨーロッパ民族学会(アテネ)