表題番号:1997A-321 日付:2004/09/21
研究課題排水からのジクロロメタン除去・回収プロセスに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 平沢 泉
研究成果概要
溶剤としてジクロロメタンを使用する実験室の排水を想定し、模擬排水を対象に除去回収実験を行った。排水濃度0.3-100mg/lの範囲の所定濃度の排水を、通水速度120m/dayで、充填塔(充填物テラレット)の上部より通液し、塔底部より、空気を、ガス液比を変化させて、流し、液中のジクロロエタンの除去(放散)特性を調査した。いずれの濃度レベルにおいての、ガス液比が、3000倍を越えると、排水の基準値0.2mg/lを満足した。同時に、充填物の高さが1mを越えると、液の偏流がおこり、除去効率を高めるには、充填物1mごとに、液分散版を設ける必要があることを明らかにした。以上より、排水と空気を接触させることにより、ジクロロエタンを放散除去できること、および、そのような放散塔を設計するための因子を明らかにした。しかしながら、この方式では、ジクロロエタンを大気中に放散させることになるので、放散塔より流出する空気を活性炭吸着塔で処理する実験を行った。活性炭層に排ガスを空間速度5-501/hの間の所定の値に設定し流通させ、排ガス中の濃度を測定したところ、空間速度301/hより低い条件下では、ジクロロエタンは不検出であった。破過曲線を、各実験で求め、活性炭の吸着容量は、200mg/g-活性炭となり、これより、所定条件下における再生頻度を算出した。上記の結果より、放散塔と活性炭吸着塔からなら、ジクロロエタン除去プロセスを提案し、各工程の設計因子を明らかにした。
研究成果の発表
1999年3月(予定) 水質汚濁研究あるいは産業環境管理協会誌