表題番号:1997A-307 日付:2002/02/25
研究課題部品選別による廃電子機器の元素濃縮
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 大和田 秀二
研究成果概要
大量生産・大量消費・大量廃棄の現システムにおいて、持続可能性を維持するためにわれわれのできる選択は、人為的な循環系を構築すること以外にない。特に近年排出量が増大し今後もその傾向が続くと思われる廃電子機器については、早急にその対策を講ずることが必要である。
 これらをリサイクルするルートとしては、(1)製品サイクル、(2)部品サイクル、(3)素材サイクル、(4)原料サイクル、(5)資源サイクルの5種類が考えられるが、前者のものほどその機能までも利用するという点で環境負荷の少ないリサイクルということができる。(1)は未だ設計段階での準備が整っておらず、少なくとも現在排出されているものに対しては無力であり、現段階で最も環境負荷の少ないルートは(2)と考えることができる。
 本研究では、廃電子機器としてパソコンおよびテレビを取り上げ、それらの部品選別を行って、部品サイクルのルート確立およびそれによる成分分離(元素濃縮)の可能性を探った。
 まず、プリント基板に装着された電子部品を一つずつ外して17グループ、38サブグループに分類し、それぞれのサブグループについてを蛍光X線により元素分析を行った。次に各種類の部品を、ふるい分け、磁選、渦電流選別、静電選別、傾斜コンベア式形状選別、エアテーブル選別の各選別に供し、部品選別および元素濃縮(元素分析結果と合わせて算出)の両面からそれぞれの最適条件を決定した。さらに、これら選別法を組み合わせて、2種類の選別フロー、すなわち、部品の相互分離に最適なフロー(DSF)と、元素同士の相互分離に最適なフロー(ESF)を作成し、それぞれについて、部品および元素ごとの分離結果を比較・評価した。その結果、部品の相互分離は極めて効率よくなされ、元素濃縮においては特にFe、 Mn、 Au、 Al、 Sbの分離が効果的であることが判明した。
研究成果の発表:
 4th International Sympojium on East Asian Resources Recycling Technology <EARTH'97> (Kunming, China), September 1-4, 1997.
Title: Distribution of Compositional Materials and Elements of the Devices I nstalled in Televisions and Personal Computers for Achieving Devices Separation. 20th International Mineral Processing Congress <IMPC> (Aachen, Germaney) September 21-26, 1997.
Title: Physical Separation of the Devices in Televisions and Personal Computers for Elemental Concentration.