表題番号:1997A-295 日付:2002/02/25
研究課題21世紀企業の組織デザイン:NOFIAデータベースの構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 坂野 友昭
研究成果概要
東証一部上場企業のうち流通業について、企業戦略と組織変革に関するデータベース化を1985年から1996年の期間を対象に図った。まず、日経TELECOMを利用し、各企業について、決算報告、新製品発売、役員交代などの記事を除外し、戦略および組織の変革に関連のある記事のみを検索した。また、日経TELECOMでは記事のタイトルは検索できるが、本文がデータベース化されていない雑誌記事について、それら記事をスキャナで読み取り、MOドライブに蓄積した。
 上記作業と同時並行的に、記事本文の分析を行い、各変革に関する分類と記述を行った。まずそれぞれ4つに分けられた「変革タイプ」と「変革レベル」という2つの次元から、各変革を16のセルに分類するグリッドを作成した。変革タイプは、戦略、組織構造、プロセスおよびヒトに分けた。変革レベルは、企業間、企業内、グループおよび個人に分けた。各変革は、記事の表現をそのまま用いて記述した。ついで、各変革につき、その変革を引き起こすに至った動機ないし理由を、これまた記事の表現を可能な限り用いて記述した。さらに、その変革によって達成された結果もしくはその変革がこれから達成しようとする成果について、量的なものだけでなく、質的なものも含めて記述した。このグリッドは、MS-ACCESSを用いてデータベース化した。
 その上で、米国で構築されつつあるデータベースと組み合わせて、流通業における情報技術の導入に関する日米比較を行った。その結果、日米ともに、情報技術導入の先発企業が後発企業に対して競争優位を維持し続けていることが判明した。ただし、米国ではその競争優位が縮小する傾向にあったのに対して、日本では拡大する傾向にあった。
研究成果の発表:
1997年7月 「21世紀型グローバル企業の組織デザイン」、『世界経済評論』Vol.41 No.7.
1997年7月 “Information Technology and New Organization Forms: A Cross-Cultural Analysis of US and Japanese Retailers,” FSB Working Paper 97-07-02.1, Fuqua School of Business, Duke University.