表題番号:1997A-294 日付:2002/02/25
研究課題アメリカにおける中小企業の育成政策 - 中小企業技術革新研究(SBIR)を中心にして
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 川辺 信雄
研究成果概要
経済の持続的発展のために中小企業の役割が見直されている。それは、中小企業の革新能力が投入するコストに対して成果が高いためである。そのため、各国政府が中小企業の革新を支援する政策を展開している。なかでも、アメリカは1980年代初めにSBIRプログラムを導入し、大きな成果をあげており、現在の良好な経済状況をもたらした要因のひとつと考えられている。
 しかしながら、このSBIRに関する体系的な研究は、現在までのところ日本のみならず、アメリカにおいても存在しない。したがって、本研究は現在中小企業の育成とその技術の開発において大きな成果を上げているといわれるSBIRが、どのような理念のもとに、なぜ、いかにして形成されてきたのか、またその成果はどのように評価されているのか、歴史的に考察することを目的としている。
 本年度の研究は、次のような段階を経て行われた。まず、第一段階として、既存のSBIRに関する文献研究を行った。第二段階として、アメリカの中小企業政策のなかにおけるSBIRの役割や意味づけを行った。第三段階として、アメリカにおいて中小企業庁(SBA)のSBIR担当者などに聞き取り調査を行い、各機関から発行されているSBIRに関する報告者などの資料を収集した。
 本年度の研究成果としては、アメリカ政府が1970年代に従来とはまったく異なる中小企業政策の考え方を導入したことと、SBIRプログラムの成立が密接な関係をもつことが、明らかになったことである。したがって、今年度の研究成果としては、アメリカ政府の中小企業政策の変更とSBIRの成立との関係について発表する予定である。
研究成果の発表(予定):
1998年9月15日 早稲田商学、アメリカにおける中小企業育成政策 - SBIRプログラムを中心にして