表題番号:1997A-266 日付:2009/05/21
研究課題フランス現象学の展開
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 佐藤 眞理人
研究成果概要
本特定課題研究は、形式上個人研究であるが事実上共同研究であり、しかも最初から2年計画の企画である。このことは申請の書類に明記しておいた。現段階においては
本研究は完成に至っていないが、順調に進行中である。その経過を中間報告の形で述べさせていただく。 本研究はドイツの現象学研究の代表者の一人、ヴァルデンフェルス(Bernhard Waldenfels, 1934-)氏の手になる大作『フランスの現象学』(Phaenomenologie in Frankreich)を基礎として、フランスにおける現象学の展開、および現象学と他の思想動向との関係を全体的に把握しようとするものである。そしてその客観的成果として、同書を翻訳出版することを目指している。すでに法政大学出版局との間に出版の約束ができており、同社が翻訳権を取得している。
 具体的な研究状況について言えば、私の他に非常勤講師・博士後期課程の大学院生の共同研究者6名、合計7名のメンバーで基本的に月2回の会合をもって、研究作業を行なっている。各自が一定の部分を担当し、かつ二人ずつのペアを決めて、相互の間で可能な限り検討・修正した訳稿と報告を提出する。そして私が全体を統括して調整をはかる、という方式をとっている。われわれにとって有利な点は、メンバーの一人で早稲田大学文学部講師である田辺秋守氏がドイツ留学中に著者ヴァルデンフェルス氏の指導下で研究していた関係上、もろもろの質問や要請(たとえば日本語版への序文や補足)を著者に直接提出できるということである。かつメンバーの一人、田口茂氏(1998年3月末まで早稲田大学文学部助手)がドイツに留学するので、著者との連絡が一層とりやすい状況になった。
 こういう状況で作業は比較的順調に進行しているので、今年度中には完成させて出版に漕ぎ着けられるであろうと考えている。大学当局の御配慮に深く感謝する。
研究成果の発表(予定)
1999年3月     法政大学出版局・『フランスの現象学』