表題番号:1997A-220 日付:2002/02/25
研究課題モバイル環境におけるヒューマン/ネットワークインタフェースに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学総合研究センター 教授 松本 充司
研究成果概要
本年度は、研究計画のうち製品のソフトウエア品質レベルを維持、向上するための試験方法論を明確にした。本検討は製品が普及する前の段階ですることが有効であることから、優先して取り組むこととした。本製品試験では、より簡便な仕組みでより多くのエラーを発見できる方法の確立が必要である。ここでは主に2つのアプローチがある。個々の製品のソフトウエア仕様のチェックを行なうコンプライアンス試験と、他のベンダーによる同種の製品との相互通信を実現するインタオペラビリティ試験がある。これらの試験を可能とするため以下の検討を行なった。
 第一段階として、各種赤外線デバイスの通信プロトコルを関連団体、学会、コンピュータネットワーク等により調査を行なった。ここではポイントポイント間の赤外線通信プロトコルの開発を進めているIrDA(Infrared Data Association)と呼ばれる標準規格化団体の規格を対象に取り上げた。このIrDA規格のなかでもデジタルカメラを中心に導入が進められていIrTran_P規格を取り上げた。ついで上記の検討結果に基づき、試験設計書に基づき試験プログラムを作成し、これを試験機に導入して、開発された製品間の実際の試験を行い試験データを集めた。これらの製品のコンプライアンス試験およびインタオペラビリティ試験を通じて、これまで各社で開発された11製品で本試験を実施した結果、製品間の不整合を発見することが出来ると共に、これらの不整合を修正することにより相互接続性を確認することができた。これらの試験では共通の試験パタンの導入が有効であることが確認され、本試験を実施するため、カラーバーチャート、解像度確認チャート、キャンパス風景の3種類のチャートを共通の試験パタンとして行い、その有効性が確認できた。
 以上の研究のため、平成 9年度には試験検証用ソフトウエア開発のためのデスクトップコンピュータを中心に、赤外線通信アプリケーションソフトの購入、試験環境ソフトウエアの整備を行った。
研究成果の発表(予定も含む)
1997.2 M. Matsumoto, Scripta Technica,Inc. U.S.A., Ryuichi Saito: “Acableless Connection to a Public Network Using Infrared Media for Lightweight Portable Devices”, Electronics and Communications in Japan, Vol.80, No.2
1997.5 松本:“赤外線通信インタフェースの標準規格”、電子情報通信学会誌、Vol.80, No. 5, pp. 461-469 1997.5
松本:“赤外線通信インタフェース”、映像情報メディア学会誌、Vol.51,No.5, pp647‐654,
1997.9 大西、松本他:“赤外線通信におけるプロトコルアーキテクチャの一検討”、電子情報通信学会通信ソサエティ大会
1997.9松本、大西、富永:“赤外線マルチメディア通信試験システムに関する一提案”、IEEE Mobile Multimedia Communication (MoMuC) Workshop, Korea
1997.9松本:“テストラボの意義と意味”、エレクトロニクス、 pp8‐10
1997.12陳、伊、菊地、小松、松本:“PPM/CDMA方式における帯域割当て制御に関する一検討”、 情報理論とその応用シンポジウム(SITA)