表題番号:1997A-141 日付:2002/02/25
研究課題設備管理における改善効果の把握方法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 助教授 棟近 雅彦
研究成果概要
工業生産において生産の自動化、設備の大規模化、複雑化がますます進んできており、設備管理活動の重要性が増してきている。しかし、設備管理活動を行った際にどのような効果が得られるのか、企業の財務体質にどう貢献しているのかが明確になっておらず、活動の評価が曖昧になっているのが現状である。設備管理活動の企業の財務体質への影響がわかれば、設備管理活動の重点を絞り込むことができ、体系的な計画を立てることが可能になる。したがって、本研究では、設備管理活動の効果によって企業の財務体質にどのような影響を与えるかを明確にし、活動の評価方法を確立することを目的とした。既に設備管理効果の定性的な構造モデルは作成済みであるので、定量的な評価方法を確立することを主眼とした。
 まず、いくつかの企業を訪ね、設備管理指標、財務指標および人員、投資額などの企業の意志決定項目に関するデータを収集した。また、定性的な構造モデルから、上記データの各変数の因果関係(関数関係および影響関係)を定義した。
 次に、上記データとモデルを用いてGSIM法によるシミュレーションを行い、その結果と実データをつき合わせ、シミュレーションの精度を確認した。その結果、ほとんどすべての変数について5%以内の精度でシミュレートできることがわかった。
 このシミュレーションを利用することにより、
1)設備管理による純粋な改善効果の評価
2)意思決定を変化させることによる活動の評価
3)設備の評価指標を変化させることによる活動の評価
を行う方法を提案することができた。