表題番号:1997A-128 日付:2002/02/25
研究課題稀な現象のシミュレーションによる解析法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 逆瀬川 浩孝
研究成果概要
ATM網のように非常に小さなデータ損失率が求められるような通信網の評価や、故障が非常に稀にしかおきないようなシステムの信頼性評価など、稀な現象の評価は非常に重要となってきている。複雑化するシステムを解析的に分析することが難しい場合はシミュレーションによる評価にならざるを得ない。その場合、稀な現象を統計的に意味のある精度で推定しようとすれば、計算時間は実現可能な範囲をはるかに超えてしまう。計算上の工夫でこの困難を克服しようというのがインポータンスサンプリング法として知られる測度変換法である。この方法は稀な現象が起きやすくなるように対象空間を歪めてからシミュレーションを実行し、その結果を元の空間に戻すことによって推定の正しさを保証している。
 この方法を待ち行列モデル、特にネットワーク型待ち行列モデルに適用した場合に効率の良い測度変換法について調べると共に、様々な数値実験によって溢れ率等の評価量が少ない実行時間で精度良く求められることを示した。
研究成果の発表
1997.10 「稀な現象のシミュレーションと待ち行列モデル」(日本OR学会「待ち行列」研究部会)
1998.1  「Importance sampling simulationにおける最適測度変換」(科研費シンポジウム「通信ネットワークの性能評価手法」)
1998(予定)「待ち行列のシミュレーション」(「応用数理」応用数理学会)