表題番号:1997A-082 日付:2002/02/25
研究課題光合成生物の酸化的ストレスに対する応答機構
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 教授 櫻井 英博
研究成果概要
色硫黄細菌Chlorobium tepidumから、調製時に嫌気性が保持されるように特に注意を払うことにより、光化学反応活性の高い反応中心粒子(PS-C)を得た。PS-Cの調製時に酸素が混入すると、光照射による安定な電荷分離は得られず、バクテリオクロロフィルのtripletが著しく増大することが判った。その原因の一つとして、Fe-Sセンターの酸素による破壊が推定される。
 緑藻Chlamydomonasの培養条件と酸化的ストレス防御系諸酵素のレベルの関係を調べた。空気を通気したものと1%炭酸ガスを含む空気を通気したものとの比較では、一般に前者の方が諸酵素の活性レベルが高かった。後者の条件で培養したものにパラコート添加により酸化的ストレスを与えると、カタラーゼ活性は増大したが、予想に反してスパーオキシドディスムターゼ(SOD)の活性は低下した。Chlamydomonasには少なくとも4つのSODアイソザイムがあるので、電気泳動後の活性染色によりそれぞれの活性を調べたところ、1つあるFe-SODの活性が低下しているが、Mn-SODの活性には変動がないことが判った。Fe-SODを、ゲル電気泳動後にニトロセルロース膜にブロッティングし、抗体を用いて定量したところ、活性の低下に見合って蛋白質量も低下していることが判った。
研究成果:1997年9月 (Urbino)、 Sakurai, H., Kusumoto, N., Nakamura, Y., Seo, T., Inoue, K., Brettel, K., Setif, P. Abstract of the Workshop on Green and Heliobacteria (ESF)、Electron transfer from cytochrome to ferredoxin in purified reaction center complexes from Chlorobium tepidum