表題番号:1997A-059 日付:2003/10/10
研究課題万葉歌と平安前期和歌との比較検討を通した和歌表現史の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 専任講師 高松 寿夫
研究成果概要
古代の和歌には、類型的な表現が多いことはよく指摘されるところだが、今回、本特定課題研究助成によって、一昨年発行された『CD-Rom版新編国歌大観』を購入、その索引機能を様々に駆使することで、多様な類型のあり方を析出することができた。今年度は、恋歌の類型のいくつかを検討の主な対象とし、特に初期万葉(=和歌文学の初発時)における、それら類型の意味といったところに考察を及ぼした。その成果の一端は、初期相聞の類型を都市成立期のメディアという観点から説明することを試みた論「初期〈相聞〉一面臆断―久米禅師・石川郎女の相聞を中心に―」(『古代研究』31、1998.1)にやや詳しく述べた。また、関連する論として「〈相聞〉と〈雑歌〉―部立にみる初期万葉の状況・試論―」(『国文学研究』124、1998.3)がある。