表題番号:1997A-057 日付:2002/02/25
研究課題石清水八幡宮蔵『諸縁起』の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 吉原 浩人
研究成果概要
本研究は、前年度特定課題研究「八幡縁起の研究」に続いて、八幡信仰に関わる古縁起類の基礎的研究と詳細な訳註を作成することを目的としている。
 具体的には前年度に続き、鎌倉初期に編纂された八幡縁起の集大成『諸縁起』(石清水八幡宮史料叢書第二巻所収)のうち約五編に、大学院生の協力を得て注釈を加え、個々の作品成立の背景を考察することができた。編数としては少なかったが、長大なものを含んでおり、新たな発見も多く、かなりの成果を挙げることができた。
 また、宇佐神宮周辺の調査においては、神宮境内や周辺の摂社・末社約四十社の踏査を行い、縁起に出てくる地名・遺跡を実地に確認した。関西方面においても、文献資料の調査を行った。
 なお、既に二年間継続して註釈作業を行っているが、現在三十七編のうち十五編に註釈を施したにすぎない。完成にはまだ二三年必要であるが、引き続きこの二年間の特定課題研究の成果と設備を生かす形で、註釈を完成させ、全体を終了した時点で、単行書として公刊することにしたい。また、個別の縁起の研究成果は、先行して雑誌論文の形で発表する予定である。
 なお、『諸縁起』本文の電子化は昨年度中に終了しており、大学院生原克昭氏の作成した詳細な八幡信仰関係の研究文献目録とともに、希望者にフロッピーで配布している。
研究成果の発表
『諸縁起』全註釈を単行書として刊行の予定