表題番号:1997A-017 日付:2002/02/25
研究課題金融システムの新たな展開(2)
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 近江 幸治
研究成果概要
土地神話と架空投資によってもたらされたバブル(現象)とその崩壊は、その後さまざまな法律的問題を提起した。私は、この現象と金融担保システムの変化を、実証的に観察し、それに対する法的分析の中から、2つの方向から考察しようと考えた。第1は、金融担保面において、従来の担保法の解釈がいったいいかなる変容を受けているのかである。第2は、不良債権の処理問題を含めて、今後の金融担保システムの発展の方向性である。この点については、歴史的には、昭和初年の金融恐慌との比較検討を行っている。
 96年度・97年度では、夥しい資料の整理にその研究の多くを割かれたが、しかし、いくつかの関連論文等を発表し、とりわけ、第1の点についてはほぼその方向性を見ることができた。しかし、第2の点についても、シンポジウムでの発表等を踏まえ、概要の大綱が固まりつつあるので、近々発表する予定である。
研究成果の発表:
97年9月、「連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行と主たる債務の消滅時効の中断」、金融法務事情1492号、金融法学会
97年9月、韓国・朝鮮大学校での国際シンポジウム報告、「日本民法の百年(担保制度の変遷)」
98年4月、「土地建物共同抵当における建物取壊・再築と法定地上権」、民商法雑誌118巻1号、有斐閣
98年5月近刊、「土地及び地上建物の共同抵当権における建物再築と法定地上権」、ジュリスト
98年度近刊、「土地・建物共同抵当における建物再築と法定地上権」『現代判例民法学の課題Ⅱ(森泉章教授古希記念論文集)』、法学書院
98年度予定、「わが国における市場経済の変動と信用制度の変遷」