表題番号:1997A-011 日付:2002/02/25
研究課題戦前日本における政党政治崩壊の研究―五・一五事件とNATIONAL FRONT MOVEMENTとを比較しつつ―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 教授 堀 真清
研究成果概要
戦前日本における政党政治の崩壊につき、血盟団事件と血盟団事件と異名同体といわれる五・一五事件の勃発という角度からも検討してみた。とくに前者の事件については下記(1)・(2)の論文において、また、後者のそれについては、(3)以下において、事件参加者の思想に注目しつつ、追究した。もっとも、当初、意図したごとく英国における国民戦線の運動を論じるには至らなかった。時間的制約に因るとはいえ、反省すべきことである。さて、以上の研究を通じて多少なりとも明らかにし得た点は、わが国における政党政治の凋落は、政党政治家自身が作りだした政治不信に淵源すること、つまり政党政治の自壊過程にこそ注意が払われるべきであり、この自壊に拍車をかけた要因として、血盟団事件ならびに五・一五事件も位置づけられねばならないということである。実に貧困な研究成果ではあるものの、このような研究を可能にさせた頂いた特定課題研究助成に感謝してやまない。
研究成果の発表
(1)1996年(参考論文) 「井上日召と仮儀の折伏―血盟団事件について―」早稲田政治経済学雑誌
(2)1997年(参考論文) 「血盟団事件の信徒者たち―小沼正・菱沼五郎・四元義隆を中心に―」同上。
(3)1998年1月 「五・一五事件の海軍将校たち」同上。
(4)1998年3月 「五・一五事件の陸軍士官候補生たち」同上。
(5)1998年3月 「五・一五事件における西田税暗殺企図」西南学院大学法学論集
(6)1998年3月 「侃堂丸山幹治―忘れられた政論記者―」『日本思想の地平と水脈』所収、ぺりかん社
(7)1998年3月 A Few Comments on“The Future of Asia and the Role of Japan: Challenges of the 21st Century to Youth”WASEDA POLITICAL STUDIES
(8)「五・一五事件の農民たち―橘孝三郎と愛郷塾一派―」現在印刷中、早稲田政治経済学雑誌。
 その他、1997年11月、「日韓相互認識―『朝日新聞』を手がかりとした日本側の議論」『翰林日本学研究第2集』所収