表題番号:1996B-011 日付:2002/02/25
研究課題デファレンシャルGPSによる位置情報を利用した人の行動パターンの解析研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 関 一誠
(連携研究者) 人間科学部 教授 宮崎 正巳
(連携研究者) 人間科学部 助手 佐藤 健
研究成果概要
本研究はGPSレシーバーを利用して、人の移動する連続的な位置情報から人の行動パターンを解析しようとするものである。人にレシーバーを装着させ、そのレシーバーと携帯電話を接続し、位置情報通信サービスを利用して、電話からの位置情報を位置局に送り、位置局から修正された位置情報(緯度、経度、時間)を取得して、その位置情報を空間情報システムを使用して、人の移動軌跡として、地図上に描かせ、人の行動パターンの解析に利用することを試みたものである。
 得られた位置情報の正確度については、デファレンシャルGPSを使用したことにより、かなり精度が高いデータとして、取得できたが、携帯電話を使用したことで、移動する位置における電波の受信状況によりかなり得られる位置情報データが左右された。また、位置情報のデータのバックアップ法に問題が生じ、長時間のデータ取得が連続的に取得できなかった。これは、移動中でデータを取得し、モニターしていることで生じたものであった。また、携帯電話を使用することにより、連続使用することに制限が生じた。これは、データを研究室のサーバーにデータ転送し、ストアして、処理を行うことで、より多くの位置情報データの処理が可能となろう。
 人の行動パターンを解析する方法としては、一方法として確立したと考えられる。これは、身体活動の無拘束計測装置としても考えられ、人の種々なる生理的な情報も併せ持つことに徘徊老人位置特定などの応用に利用されることが期待されよう。
宮崎正巳、関一誠 1996年3月 早稲田教育評論、229-243. 衛星を利用したナビゲーションによる身体活動の定量化について
佐藤健、関一誠 1996年12月 人間生活環境シンポジウム報告集42-45、携帯用GPSレシーバーを用いたヒト行動の分析