表題番号:1996B-010 日付:2002/02/25
研究課題早稲田大学柔道部の歴史的研究――資料のデータベース構築と柔道史における柔道技術の特徴――
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 志々田 文明
(連携研究者) 人間科学部 教授 小野沢 弘史
(連携研究者) 人間科学部 教授 寒川 恒夫
研究成果概要
本研究の目的は、百有余年の長く優れた伝統を有する早稲田大学柔道部史を研究するために、①、考えられるあらゆる文書資料を収集するとともに現存する柔道部OBなどからヒアリングを行ない、それらを整理して、デ-タベ-スを作成する、②、それらの資料の分析によって、早大柔道部の柔道の技術的な特徴・特色を解明し、柔道史の中に位置付け、将来の本学における柔道及び柔道部教育の指針とする、の二点であった。
 96年度から二年間に渡った調査によって、①の目的はほぼ達成した。特に、明治期から大正・昭和期に戦前期1945年にかけては柔道雑誌『国士』『柔道』『有効乃活動』等、また『早稲田学報』から早大柔道部関係記事の抜き取りを行った。なお、戦後期にかけては、並行して柔道部OB会によって『早稲田大学柔道部百年史』が編纂され、そこで戦績資料の収集が行われたため、それに譲った(同書は1997年刊行された)。柔道部OB等からのヒアリングは、戦前期の三田正彦氏(大正13年卒)はじめ6名に実施した。これらのデータベース化作業にはかなりの時間を有し、現在なお継続中である。
 ・に関しては、早大柔道部史のなかでも、大正期における最も優れ、また独創的であったと思われる石黒敬七については、本研究者3名による原著論文「石黒敬七に於ける柔道の特性」(早稲田大学体育局研究紀要30号、1998)においてその柔道を詳述し、合わせて大正期の早稲田柔道の雰囲気を伝えた。また、志々田は研究成果を活かして1997年度の日本武道学会大会において「大正期における早稲田柔道について」と題して発表を行った。今後2年以内に、明治期及び大正・昭和期においてまとめの作業を行い、論文及び報告書として残す予定である。