表題番号:1996A-537 日付:2002/05/10
研究課題次世代情報ネットワークのためのリソース管理技法の確立
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学総合研究センター 教授 浦野 義頼
研究成果概要
 遠隔教育や遠隔医療などへの応用を狙いとして、インターネットや通信・放送統合網上で、ユーザが要求するサービス品質(QOS)に応じて、音声・画像などのマルチメディア情報を効果的に伝送するために、ネットワーク・リソースの最適割当てを検討した。
 具体的には、動画像データを含めたパッケージ情報を対象とし、DAVIC(Digital Audio-Visual Council)1.0のビデオ・オン・デマンド(VOD:Video On Demand)仕様に基づくアクセス系を有するマルチメディア情報提供システムのモデルを提唱し、そのシステム構築に向けた検討を行った。特に、情報プロバイダが提供するマルチメディア情報を配送サーバから各ユーザサーバに配送する配送網として、衛星網と地上網からなる複合網を想定し、配送サーバとユーザサーバ間に再送処理負荷分散などを図るユーザ管理サーバを配置する、新しいスキームを提案し、以下の手順などを評価した。
 1.衛星網により、配送サーバは全ユーザ管理サーバ、全ユーザサーバへマルチキャスト・モードでデータを配送する。
 2.配送サーバは地上網を介し、各ユーザ管理サーバと送達確認・エラー制御を行う
 3.次いで、ユーザ管理サーバは地上網で各ユーザサーバと送達確認・エラー制御を行い、配送完了を配送サーバに報告する。
 一方、急速な進展を遂げているインターネットなどベスト・エフォート・サービス型通信ネットワークを対象として、「交渉能力を有する通信エージェント(知的エージェント)の連携による分散・協調型ネットワーク運用・管理」の概念を得て、そのメカニズムの検討に着手した。
 本概念は、ネットワーク化されたインテリジェンス(NI:Networked Intelligence)の一形態であり、次世代インテリジェント・ネットワーク(IN:Intelligent Network)の構成要素として重要な役割を果たす。