表題番号:1996A-519 日付:2002/02/25
研究課題インターネットにおける渋滞区間の検出法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 後藤 滋樹
研究成果概要
 ・問題の所在
 本研究課題に着手する時点において、早稲田大学と外部との交信は、深夜および休日には快適なスピード(200~300ミリ秒)で行なえたが、月~金の昼間には実効速度が低下していた。実効速度の差は50~60倍にも達する。
 ・研究成果
 得られたデータを基に改善策を検討した。結果的には本研究計画で予定した範囲を超えて、外部との接続を高速回線へ移行することができた。
 (1) 1996年度当初の早稲田大学から外部への接続は384Kbpsの専用線を用いていた。この専用線の部分が渋滞の原因であることは、測定の開始後すぐに判明した。
 (2) ディジタル専用線は、「入」と「出」に別々の光ファイバーを用いる。当該区間の渋滞状況は「入」(外部から早稲田へ入る方向)の方がより深刻であることがわかった。
 (3) この状況は把握できたものの、本研究計画だけでは改善する方策まで至らなかった。しかし1996年度の科学技術振興調整費による研究課題を7月29日から急拠スタートさせることが決まった。その研究予算で1.5Mbpsの専用線を敷設することができたため、事態は劇的に改善された。
 (4) 1.5Mbpsに増速後も測定を継続した。その結果「入」と「出」を区別して測定することが有意義であることを再確認できた。また時間帯によって実効速度が変化すること、「入」のトラフィックの多くがWEB(HTTP)の利用であることが判明した。
 今後は1996年度に得られた知見を基に、科学技術振興調整費の研究課題として更に研究を遂行する予定である。特定研究課題としては本年度で終了する。このように発展的に研究を展開できたのは関係各位のご理解とご協力のお蔭である。厚く御礼申し上げたい。