表題番号:1996A-506 日付:2002/02/25
研究課題刑法における損害回復の理論
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 高橋 則夫
研究成果概要
 本特定課題研究は、行為者が被害者の損害を回復するという行為の刑法的な意味について考察を加えるものである。これまで、テーマに関するいくつかの論文等を執筆してきたが、本年度はこれらを集約し単行本化するという作業が中心となった。この作業の過程で、従来の論文における不明確な部分を修正すると共に、いくつかの問題について加筆する結果となった。とくに、「損害回復による法的平和の回復」に関する具体的展開が本研究の最後の課題として位置づけられるが、これについて一応の整理を行ったが、いまだ端緒的なものに留まざるを得なかった。また、本研究は、犯罪被害者に関わる様々な問題の中の、きわめて重要であるが、一部分にしか過ぎないものであるので、本研究を基礎として犯罪被害者問題をさらに検討していくことが今後の課題といえよう。なお、研究成果として、(単著)刑法における損害回復の思想(成文堂)(1997年3月刊行)がある。