表題番号:1996A-298 日付:2002/02/25
研究課題健康教育を中心とした高齢者の健康増進運動とその効果の把握に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 町田 和彦
研究成果概要
 成人病は生活習慣病ともいわれる程日常生活と密接に結びついていることが明確となり、虚弱老人、寝たきり老人さらに痴呆性老人の多くは適切なライフスタイルによりその多くは予防が可能と思われてきている。我々はそのような予防医学的見地から、4年前より狭山市の老人クラブ会員と保健衛生センターの協力によりライフスタイルの改善による健康の維持増進と生きがいのある生活をめざした健康診断と個人指導による運動を行なってきた。
 今年度は5年計画の4年目で以下のような方法により調査を行ない新しい知見をえた。本年度は男性59名、女性66名の参加により以下の項目について調査が行われた。調査内容:身長、体重、体温、血圧、運動能力(握力、肺活量、開眼片足立ち、)ライフスタイル(栄養、嗜好品、運動習慣、睡眠、住居環境、ストレス及びストレス耐性度、日常生活度等の面接法による質問紙調査、尿検査、採血による15項目の臨床生化学検査・貧血検査及び生態防御機能検査(好中球貧食・活性酸素<スーパーオキサイド>産生能、ナチュラルキラー<NK>細胞活性)を実施した。過去年間と同様な比較方法に加え、今年度は家族形態とストレスを含めたライフスタイルとの関係も調べた。その結果ストレス耐性度と活性酸素産生能、NK活性、悩みの解消手段の有無およびストレスと肥満との関係、コルチゾール産生能とNK活性との相関、適度な運動と非特異免疫、臨床検査値(脂質代謝と肝機能)、肥満抑制および生きがいと、また家族形態(独居、配偶者のみ同居、子供とのみ同居、配偶者と子供と同居等)と各種ライフスタイル(睡眠、運動習慣、ストレス耐性度等)との関係が認められた。今後このような結果相互の関係を多変量解析によって明らかにするとともに、これらの結果を生かした個人指導を行ない高齢者が健康で生きがいのある一生を送れるように支援したいと思う。