表題番号:1996A-259 日付:2002/02/25
研究課題符号化技術とその応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 平澤 茂一
研究成果概要
 本研究は符号化に関する基礎的・応用的研究に関するものである。基礎的研究としては、最尤復号あるいは近似的最尤復号を実行するアルゴリズムの提案とその評価に関するものがある。最尤復号は復号誤り確率を最小にするが計算量は大きい。これを近似的に実行すると、どの程度の符号誤り確率の変化になるかを評価している。また、連接符号の最小距離の下界を改良する符号化の条件とその復号法を明らかにした。GMD復号法と拡張した方法により、実際の最小距離によりきまる誤り訂正可能個数までの訂正ができることを示した。この他、符号化を用いた判定帰還方式について棄却した受信条列を有効に利用し信頼度を向上させる方式 およびViterbi復号法を用いたたたみ込み符号の固定遅延復号について提案・評価結果を明らかにした。いずれも誤り指数を導出し、同時にシュミレーションによりその動作の確認を行った。
 応用的研究としては、高速化を目的とした巡回符号の符号器・復号器の並列化方式の提案とその解析を行った。この構成法を用いてFTCにおけるLSIのビルトインテストに応用する場合を考察し、回路規模を小さくできることを明らかにした。
 この他、情報源符号化において受信系例の途中から復号する方式、歪のある情報圧縮における代表元を記憶するリスト作成のアルゴリズムを改良する方式などを提案し、それぞれの性格を評価した。情報源符号化のアルゴリズムと性質を利用した知識情報処理における帰納推論への応用を図った。知識表現として決定木を用いるとき、マルコフモデルを推定しモデル選択を行う問題に応用し有効性を確認した。