表題番号:1996A-237 日付:2005/03/08
研究課題シールドトンネル工事に伴う地盤沈下予測システムの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 赤木 寛一
研究成果概要
 本研究は、シールドトンネル工事に伴う地盤沈下のコンピュータシミュレーションによる予測システムの開発を目的として実施した。具体的には、下記のような飽和砂地盤におけるシールド掘進と飽和粘性土地盤における杭打設実験の有限要素法シミュレーションを行った。
 1)飽和砂地盤における泥水シールド掘進に伴う地盤挙動の有限要素法シミュレーション
 砂地盤における泥水シールド掘進時における切羽の安定に必要な泥水性状および周辺地盤の応力状態の変化のメカニズムを解明することが重要である。ここでは、著者らが開発したシールドトンネル工事における切羽掘削現象の有限要素法によるモデル化手法を砂地盤における泥水シールド掘削問題に適用し、飽和砂地盤における泥水シールド模型の掘進実験の実験結果との比較を行った。その結果、砂地盤における泥水シールド模型掘進の模型実験結果に対応する地盤の応力-間隙水圧挙動のシミュレーション結果を得た。
 2)飽和粘性土地盤の杭打設実験の有限要素法シミュレーション
 軟弱粘性土地盤の杭打設模型実験結果の有限要素法によるシミュレーションを行った。実験では、飽和粘性土を充填した2次元土槽に貫入速度を一定にして模型杭を打設したときの、杭軸力、杭先端荷重、地表面変位、地中変位、間隙水圧、壁面土圧を測定された。土ー水の連成を考慮した有限要素法解析で非排水条件で外部的に変位を規定された計算を行おうとすると、得られる箇条間隙水圧の値が非現実的な値になる。これを解決するために、変位が規定される境界に隣接する部分に排水状態で変形するBuffer要素を配置して解析を行った。その結果、実験結果に相当する過剰間隙水圧が得られた。