表題番号:1996A-189 日付:2002/02/25
研究課題ワ-クデザインにおけるサブシステム分割の考え方とその応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) システム科学研究所(現アジア太平洋研究センター) 教授 黒須 誠治
研究成果概要
 ワ-クデザインにおけるサブシステム分割についての研究結果を箇条書きにして示す。
(1)コンポ-ネント分割をつぎのように定義した。
 システムのインプットからアウトプットへの変換を1回の作業で果たすのが難しいため、いくつかの作業を行うことによって、変換を達成しようと考えたとき、各作業に対応する機能を機能的コンポ-ネント、略して単にコンポ-ネントという。そして、いくつかの機能的コンポ-ネントによって、インプットからアウトプットへの変換を達成するようにシステムを分割することをコンポーネント分割という。
(2)直列コンポーネント分割は、じっさいにはシステム案にすでに表現されていることを明らかにした。
 システム案が、「~して、~する」というようにいくつかの文章からなっていたら、その各文章がそれぞれコンポ-ネントに相当している場合が多い。つまり、システム案が2つの文章からなっていれば2つのコンポ-ネントからなるし、3つの文章からなっていれば3つのコンポ-ネントからなることが多い。
(3)サブシステムを機械的に求める考え方を示した。
 機能的コンポ-ネント表現をアウトプット形にし、それを基にインプットを設定すると、インプット-アウトプット表現システムが得られる。これがサブシステムである。
(4)並列にコンポ-ネント分割するときは、インプットを分ける作業をするコンポ-ネントと、分けたコンポ-ネントを最後にまとめるコンポ-ネントの2つが少なくとも必要になってくることを明らかにした。したがってふつうは、並列コンポーネント分割は最低4つのコンポ-ネントからなる。