表題番号:1996A-106 日付:2002/02/25
研究課題エリザベス朝喜劇の研究と翻訳
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 岡崎 凉子
研究成果概要
 このエリザベス朝喜劇の翻訳、研究は1995年から文学部の大井邦雄教授ほか数名と一緒に行っている「エリザベス朝喜劇10選第二期」の一環であり、今回助成金をいただいた分で今年どのような成果を得たかということを特定することは困難です。
 この作業はまず全員でひとつの作品を読み、討議し、そののちに担当者が自分の日本語で翻訳をし、作者と作品についての論文を付して、出版部から出版される、という手順になっています。ですから助成金の大部分は文献(主として古書)の購入費として使用されました。主として自分の次回の担当作品である、トマス・デッカーの「貞淑な娼婦第二部」および、全員で検討するリチャード・ブルームの「愉快な仲間またの名浮かれ乞食」、ジェームズ・シャーリーの「快楽夫人」関係の文献収集にあてた、ということができます。また、論文の中に、今後の研究者の便宜のため、かならず当時から今日までに出版された、主立ったテキストについてふくまれることになっており、このテキストの実物にできるかぎり触れることが重要な意味を持っています。ちょうど1996年12月に出版された「貞淑な娼婦第一部」の最終稿の校正中に18世紀の重要なテキストがふくまれているロバート・ドズリーの「古劇選集」が入手できたことは大きな収穫で、このためにも大きな金額を消費しています。
 目下全員での検討に先立って下訳中の「貞淑な娼婦第二部」は1998年の初頭には出版される予定で、それが今回の助成金の直接の成果ということになろうかと思います。