表題番号:1996A-099 日付:2002/02/25
研究課題情報化に間する基礎概念の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 桜井 洋
研究成果概要
 情報、意味、コミュニケーションなどの情報に関わる概念は、現代の社会学の基本的なパラタイムとなっている。1996年度の研究ではそうした情報化に関する基礎的な概念の考察を主題とした。助成金は図書資料の購入に当てた。
 その成果の一端として、『ライフスタイルと社会構造』を寿里茂・北沢裕との共編著として日本評論社より1996年9月に刊行した。本書の中では筆者は第5章「情報化社会と個人」を担当した。本書はその表題の通り、現代社会におけるライフスタイルと社会構造の関わりを多角的に考察したものである。かつての産業社会の時代には、企業における労働は核家族における性別役割分担によって補完され、個人の生活は企業と家族のふたつのシステムによって構成され、それ以外の選択は用意されてはいなかった。情報化とはこうした社会システムの基盤に、個人の選択が一層はばひろく可能になったことを意味する。本論文では、社会システムの同一性と多様性という基礎的構造の考察から、情報化社会における個人と社会の関係を展望したものである。
 またこの他にも、情報化に関する基礎的な研究を行った。それらの成果に関しては、今後公表する予定である。