表題番号:1996A-071 日付:2002/02/25
研究課題経済現象における非線形性の分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 教授 稲葉 敏夫
研究成果概要
 非線形景気循環モデルの複雑な性質を、2次元差分カルドアモデルを一例として調べた。特に、ノイズが決定論系の挙動に如何なる影響を与えるかを分析した。従来報告されているのは、ノイズは系の挙動を曖昧にするに過ぎないということであった。それに対して、ノイズがなければ、カオス的な乱雑な挙動を示す場合において、ノイズが加わることにより、規則性の強まることもあり得るのをシュミレーションによって示した。また、周期の窓においてノイズをかけることによって背後にあるカオス的な不安定軌道が顕在化することも示した。ノイズのタイプとしては、加法型とパラメトッリク型の両者を扱った。扱ったモデルのパラメータの範囲内では両者が及ぼす影響にそれほど差はみられなかった。