表題番号:1996A-058 日付:2002/02/25
研究課題『宝暦/新撰早引節用集』五十音順改編本の作成と印刷
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 助教授 高梨 信博
研究成果概要
 江戸時代に編纂、刊行された近世節用集は、現存するもので約300種にのぼる。それらの諸本の分類、整理は、近世節用集の研究にとってもっとも重要な基礎となるものであるが、いまだ、きわめて不十分な状態にとどまっていると言わなければならない。
 本研究は、近世節用集研究のための基礎的資料の作成をめざすもので、近世節用集に収められた項目を五十音順に改編し、一つ一つの節用集の所収項目を一覧できるようにするとともに、こうした資料を蓄積していくことによって、複数の節用集のあいだの異同を対照しうるようにすることを目的としている。今回は、近世節用集のうち、早引節用集の嚆矢である宝暦2年(1752)刊『宝暦/新撰早引節用集』をとりあげ、その五十音順改編本を作成し、資料集として印刷した。改編本の作成に至る具体的な作業手順は以下のとおりであった。
 1.底本の複写
 今回は東京学芸大学附属図書館所蔵本を使用させていただいた。
 2.カード作成
 底本の複写をはりこんだカードを作成し、五十音順に並べかえた。
 3.台紙作成
 五十音順に並べた項目を印刷のための台紙にはりこんで版下を作成した。
 4.逆引き、その他の確認
 5.凡例執筆
 6.印刷

 今回の助成費によって、上記のうち、3の途中から6までを終了することができ、資料集『改編・宝暦/新撰早引節用集』(B5版本文225ページ、1996年9月刊)を作成し、関係各所に配布した。