表題番号:1996A-018 日付:2002/02/25
研究課題金融システムの新たな展開
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 近江 幸治
研究成果概要
 土地神話と架空投資によってもたらされたバブルとその崩壊は、わが国の金融体系に著しい変化をもたらした。この処理は、現在でも続いている。
 私は、この現状と金融システムの変化を、実証的に観察し、それに対する法的分析と、これからの金融システムの構築の方向性を探ろうとした。この研究自体は、おびただしい資料の収集とその分析が必須の前提となり、単年度で結論を出すことは不可能である上に、現在もその現象の処理が続いている最中である。それゆえに、私は、この研究の続編として、97年度の特定課題研究「金融システムの新たな展開(2)」を申請し、それが認可された。したがって、全体的な研究は、97年度の終期に提出することを予定している。
 ただ、96年度は、特にこの資料の収集に重点を置き、いくつかの仮説を措定し、その視点の下に法的分析を行ってきた。現在でも、不良金融機関の倒産・再編成が続々と表面化し、バブル崩壊のすさまじさが見られるが、本研究は、おそらく、わが国の金融システムのあり方について、意義のある視覚を提供するものと考えている。