表題番号:1996A-013 日付:2002/02/25
研究課題確率比例系統抽出に関する基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 助教授 西郷 浩
研究成果概要
 標記テーマについて、その理論的考察を中心に研究を進めた。まず、確率比例抽出における有限母集団修正について考察した。単純無作為抽出の場合と異なり、確率比例抽出における有限母集団修正は明示的な形ではとらえにくい。この点を、近似的な確率比例抽出による推定量(Rao-Hartley-Cochran推定量)の分散からの類推と、確率比例系統抽出における推定量(Horvitz-Thompson推定量)の分散の近似式(Hartley-Raoの近似)とから吟味した。その結果、前者の類推は基本的に単純無作為抽出の利用に由来し、どのような条件のもとでその類推が妥当であるのか検討が必要であることがわかった。
 上で述べた最後の問題を、回帰型の超母集団を導入して考察した。その結果、この超母集団モデルのもとで、いくつかの推定量の分散が導出できた。しかし、この点については先行研究がおこなわれており、今回導いた結果と類似点・非類似点をさらに研究する必要がある。これは、今後の課題である。
 このほか、確率比例抽出における最適標本配分についても部分的な考察を始めている。実用的な問題であり、今後検討の価値があるので、さらに考察を進めていきたい。