表題番号:1995B-039 日付:2002/02/25
研究課題リスク・プレミアムによる資産負債管理の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) システム科学研究所(現アジア太平洋研究センター) 教授 太田 正樹
(連携研究者) システム科学研究所(現アジア太平洋研究センター) 教授 平野 雅章
(連携研究者) システム科学研究所(現アジア太平洋研究センター) 教授 真野 芳樹
研究成果概要
 金融市場に限らず、日本経済全体の先行き不透明な時代にあって、資産・負債を統合的に管理することが、一般事業法人にとっても重要になってきている。このような経営管理の要請に対して、従来のALM手法では充分な理論的展開がなされていなかった。特に、リスク管理とALM管理とが別々に展開されている感がある。そこで本研究では、従来のリスク管理手法を概観し、その問題点を明らかにするとともに、新しいリスク管理手法の開発と資産・負債統合管理との統合に向けて理論的解明を目的として2年間の研究を行なった。
 初年度において、今までの資産・負債管理法がどのように経営上適用されているか、リスク管理についての意識・運用がどのようになっているかに関して、アンケート調査を実施し、現状の整理と理論的発展に向けての基礎資料作りを行なった。このアンケート調査は、「中堅・中小企業の銀行取引調査」と題して、早稲田大学ビジネススクール・金融問題研究会として発展した。
 第2年度は、アンケート調査の分析により示されたリスクのとらえ方を一つの観点として、新たな理論的解明といくつかのシミュレーションを通して研究を行なった。その研究成果の一つとして「Asian Manufacturing Futures Programme について」(平野雅章、システム科学研究所紀要、第27号)がある。新しいリスク管理とその適用については、引き続き共同研究がなされており、その成果はシステム科学研究所叢書の一つとして発表する予定である。