表題番号:1995B-005 日付:2002/02/25
研究課題大学所蔵の鉱物のデータベース化とその熱的性質の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 教授 堤 貞夫
(連携研究者) 理工学部 助教授 山崎 淳司
(連携研究者) 教育学部 助手 上原 元樹
研究成果概要
 早稲田大学には教育学部地学専修、理工学部資源工学科、商学部などに現在数千点の鉱物標本が所蔵されている。また、近年、校友服部元文氏の遺族から千余点の極めて良質の標本が寄贈された。これらは各箇所で教材として利用されているが総合的な整理は未だなされていない。教材や研究試料として標本が有効に利用されるためには、これら全学に散在する標本がデータベース化され、各箇所から適宜、自由に、しかも効率よく全標本に関するデータを引き出すことができるシステムが構築されていなければならない。本研究は大学所蔵の鉱物標本の管理・検索システムを構築し、すべての鉱物データを入力してデータベース化すること、また、これらの標本のうち、主に非金属鉱物の熱的性質を明らかにすることを目的として開始された。これまでに本学における使用目的に添う管理・検索システムの構築とこのソフトを使用して数百点の鉱物のデータを入力することができた。
 鉱物標本の管理・検索システムは工業技術院地質調査所が1975年に開発したシステム(GEMS)を参考にして開発されたが、作業はWindows95搭載のPCを使用し、プログラムはVisual dBASEが使用された。鉱物はこれまでに約3600種知られており、毎年30~50の新種が承認・追加される現状である。これらは族、群、型、系列、種など鉱物独特の分類法によって分類されているので、本システムでは、教材や研究試料としての利用目的に叶うよう、検索能力の高速化、データの縮小化を計るために族、群のコード化を行った。また、性能の良いディジタルカメラが発売されたのでシステムに鉱物の画像データを加えることができた。しかし、開発されたシステムは鉱物名・採集者・産地など鉱物標本の基本的なデータのみに限られているので、今後は化学式・結晶系など鉱物学的データを付加して教育効果を高めるデータベースへと発展させることが必要である。