表題番号:1995A-304 日付:2003/04/10
研究課題中東地域における都市同郷者団体に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 店田 廣文
研究成果概要
都市化プロセスにおける,地方や農村出身者をメンバーとする同郷者団体の形成,その構造と機能についての研究は,世界各地の事例に即して,多数の研究が行われている。中東地域でも同郷団体の形成が見られるが,研究蓄積はきわめて少ない。本研究では,エジプトを事例として,筆者のこれまでの研究をさらに発展させてみようと試みた。

エジプトの首都カイロにおける同郷者団体の構造や機能について,筆者はこれまで文献資料による研究,および在外研究中(1991年4月~1992年3月)に行ったフィールド・サーベイの手法による実態調査研究を遂行し,それぞれ研究成果をまとめてきた(1991年3月および1993年12月)。

今回の研究では,これら研究蓄積の上に,1991年にカイロで新たに入手した団体資料とそれ以前の団体資料の統合化とデータベース化を,第一の課題とした。1995年度中の研究では,1995年8月のエジプト現地調査で新たに入手した団体資料(1990年現在の団体データ)を追加資料として使用し,1955年から1990年までの数量的データの整理を主として行った。その成果は,『社会科学討究』(早稲田大学社会科学研究所)122号(1996年夏刊行予定)に投稿した。

上記の研究成果をふまえ,当初の研究計画通り,他の中東地域および日本の都市同郷者団体研究との比較研究など,世界各地の同郷者団体研究との比較は1996年度以降の課題としたい。