表題番号:1995A-293 日付:2002/02/25
研究課題ポーランドにおける経済改革以降の農業発展と環境政策
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学部 助教授 弦間 正彦
研究成果概要
東欧における45年に及ぶ中央計画経済体制は,重工業を中心とした産業構造を固定化し,さらに歪んだ価格体系は生産要素の過剰投入や非効率的な生産体制の存続を許した。これにより環境汚染が進み,農業分野においても持続可能な発展が危ぶまれるような状態となっていた。
本研究においては,持続可能な農業発展を図るという視点より,移行期にあるポーランド農業の課題を検証した。政治上の混乱は続くが,経済政策面では堅実な財政・金融政策を導入している同国において,経済発展の回復が見られ,農業分野においても資源利用の効率性が高まったことが確認できた。これをさらに環境への負荷が低く持続可能な営農形態へ導くためには,今後各種の制度改革が必要となることが分かった。またポーランドにおいては農業外雇用機会の創出と農村工業の発展が課題となっていることが分かった。