表題番号:1995A-252 日付:2002/02/25
研究課題論理的な文章作法の探究とその指導法の考察-日英両語のコミュニケーション・スキルの向上のために
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 篠田 義明
研究成果概要
日本では,暗記教育を重視しているため,日本人の多くは論理的に文章を組み立てる能力に欠けている。本研究では,文章作法における論理性を,社会で実際に用いられている英文を中心に研究し,日本の英語教育と日本語教育の指針にすることだった。
研究のごく一部であるが,Vocabularyの重要性とLogicの重要性を,早稲田大学産業経営研究所発行の産研シリーズ28号で発表した。
題名:Problem Areas for Japanese Technical and Business English Writers-A Methodology for TeachingWritten Communication in Japan.
発行日:1996年3月12日
Vocabularyでは,One Meaning in One Word; Editing Sentences Using the One Word / One Meaning Method;Collocationの無視が,日本の企業人の作成した書類に圧倒的に多いことがわかった。
Logicは,まったく無視した書類がほとんどで,某一流企業のVice Presidentから直接入手した英文試料は「起承転結」で書かれているため,理解に苦しんだ。そこで,日本民話の分かり易いロジックを例にあげ,「起承転結」は実用文には不適であることを述べた。
この研究中に新しい研究テーマが生れたことは大きな収穫だった。欧米で「冠婚葬祭」で用いる表現は,日本でのそれと全く異にしていることだった。そこで,日本の冠婚葬祭で,実際に用いられている表現を英訳し,ミシガン大学教授のDwight W. Stevenson氏と直接デスカッションしながら纏めた資料は今年度中に本にして出版する予定である。
しかし,実用文におけるCommunicative GrammarとFomatの研究,特に前者の研究を纏めるには相当の時間と費用がかかりそうである。