表題番号:1995A-230 日付:2002/02/25
研究課題鎌倉遺文の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 第一・第二文学部 教授 瀬野 精一郎
研究成果概要
元本学文学部教授竹内理三先生による鎌倉時代残存文書の網羅的編年史料集「鎌倉遺文」全42巻,「同補遺」4巻は,鎌倉時代研究の基本的史料集であり,この刊行によって鎌倉時代の研究が飛躍的に発展するであろうことは疑いない。しかし収録されている無年号文書については,編者の年号比定を推定し,編年された箇所を特定することは容易なことではない。そこで無年号文書については,月日順に配列し,年月日欠文書については,所蔵者別に配列した文書目録を作成することによって,収録文書の検索を容易にすることを試みた。この作業を補遺編全4巻について行い,約700通の無年号文書を抽出し,「鎌倉遺文補遺無年号文書目録」A5判43ページを刊行した。これは既刊「鎌倉遺文無年号文書目録」を補うものであり,両者を併用することによって,鎌倉時代の無年号文書の検索が可能となる。又この目録は,鎌倉遺文脱漏文書の抽出のためにも不可欠のものである。これらを活用することによって,既に鎌倉遺文脱漏文書約3000通の存在が確認されており,これらの文書はすべてカード化し,年月日順に配列して,「鎌倉遺文未収録文書目録」を刊行するための準備を進めている。一方鎌倉時代の研究者約100名が参加する鎌倉遺文研究会を組織し,「鎌倉遺文」を研究対象として,毎月1回の研究会を開催し,研究成果の交流を行っている。