表題番号:1995A-222 日付:2002/02/25
研究課題冷戦体制下の国際輸出管理レジームに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 教授 山本 武彦
研究成果概要
冷戦体制下の国際輸出管理レジームのうち,共産圏の経済的「封じ込め」を目的としてきた対共産圏輸出統制委員会(ココム)は,94年3月31日をもって解散するまで,45年間にわたって国際貿易活動に有形・無形の政治的影響を及ぼしてきた。この研究では,約半世紀に及ぶココム内外での加盟国間の戦略的相互作用の実態について,歴史的に検証する事に主たる目的が据えられた。
研究活動は,Foreign Relations of the United States(米外交文書)をはじめ,米上下両院外交委員会などでの公聴会議事録,米国政府関係者の回想録,日本外務省公開文書,衆参院外務委員会審議録などから関係資料を収集することから始め,重要事項・事実・発言等をパソコンに入力した。この作業と併行して,ココム・リストの改正に関する時系的な変化を追うために,リストから削除された品目,追加された品目などに関するデータ・ベースを作成した。この作業は,軍事技術上の優位を基礎とする西側(特に米国)の対ソ抑止戦略の変化をトレースするうえで不可欠なものであるが,リストそのものが非公開という制約から,データ・ベースの信頼性を確保するのは困難である。できる限り,データ・ベースの信頼性を確立するために,引き続きリスト周辺の情報を確認するを作業を行なう必要がある。
半世紀に及ぶ歴史検証であるため,1年間で研究成果を達成するのは極めて困難であるが,時系的に収集した文献・データを時代ごとに区切って整理し,それらを分析し終えてから論文として発表することを予定している。