表題番号:1995A-138 日付:2002/02/25
研究課題情報理論に基づく柔らかな情報処理に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 助教授 松嶋 敏泰
研究成果概要
人間のもつ学習・認識などの機能をマシン上に実現し,あいまいや誤った情報にも適応できる柔らかい情報システム実現のためには従来の理論を基礎とした体系では不十分であり,論理プラスアルファの体系が必要となってきている。
研究者らは柔らかい情報処理の要素である不確実な推論と学習のための基礎理論体系として,第一階言語の解釈空間に確率測度を導入した確率世界論理を数年前より提案し,いくつかの推論を情報の変換としてこの基礎体系上でモデル化し,情報理論の立場から評価基準の明確化や最適な推論アルゴリズムの提案を行っている。
今年度得られた成果としては,矛盾を含んだ知識の管理法と推論法,配列構造を用いた不確実な知識の表現と推論法,質問を許す学習の最適化,収益を最大化を目的とする強化学習アルゴリズムなどが上げられる。
例えば,矛盾を含んだ知識の管理法と推論法では,矛盾が生じるメカニズムを情報理論のモデルにより定式化することにより新たな手法を提案している。質問を許す学習の最適化では,質問回数一定のもとで誤り率最小や誤り率一定のもとで平均質問回数最小の基準の下で最適な学習アルゴリズムを情報理論的上界をうまく使うことによって,提案している。