表題番号:1995A-111 日付:2002/02/25
研究課題自然独占と料金規制改革
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 山本 哲三
研究成果概要
1年間,運輸省の旅客運賃問題研究会に参加し,規制の実際面に触れることができた。総括原価方式の多くの問題点を痛感したわけだが,代替案の本格的検討が欠如しているため,「規制後進国」になりつつある現状をいかんともなしえなく,理論的研究の必要性のみ感得した次第である。
さて,私の研究だが,情報の非対称性の下での規制ということで,とくにプライスキャップ規制,それもノン・ベイジアン・モデルの検討に,研究の重点をおくことになった。
フォーゲルカンク・フィンジンガーのモデルは,規制の経済学の分野では,最近世界でもっとも注目されている規制モデルの一つであり,とくに情報公開の遅れている我が国では,最小情報で最適規制を追求する,このモデルの紹介は意義があったと思われる。
ベイジアン・モデルを含め,更なるノン・ベイジアン・モデルの検討は,今後の研究課題とする。
最後に,この研究に関し,学界等で発表したものを報告しておく。
(1)「自然独占と料金規制」,『公益事業研究』,第47巻1号(1995. 4)
(2)「規制緩和の国際状況」,『国際問題』,No. 424(1995. 7)
(3)「公共料金:値下げへの戦略」,『(週刊)東洋経済』,No. 5295(1995. 7)
(4)「自然独占の最適規制を求めて」,『公益事業研究』,第47巻2号(1995. 10)
(5)「ノンベイジアン・モデルのインセンティブ機構(上)」,『経済セミナー』,No. 492(1996. 1) (6)「ノンベイジアン・モデルのインセンティブ機構(下)」,『経済セミナー』,No. 493(1996. 2)