表題番号:1995A-023 日付:2002/02/25
研究課題ウルグアイ・ラウンド後の国際通商法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 清水 章雄
研究成果概要
ウルグアイ・ラウンド交渉が1994年4月に正式に終結し,1995年1月にはWTO(世界貿易機関)が発足した。
ウルグアイ・ラウンド後の国際通商法の枠組み及びその実体的ルールにどうなったか,さらに今後どのような新分野について国際通商法がどのように発展すると予測されるかを検討したのが本研究である。
具体的には,国際通商法の新しい枠組みについては世界貿易機関の諸制度を検討した。そのなかでも特に司法化の方向での改善が行われた紛争処理手続の新制度を詳しく分析し,その問題点を指摘し,「世界貿易機関の紛争処理手続」という論文として公表することとした(島田・江泉・清水編『変動する国際社会と法』1996年,敬文堂,所収)。実体的な面では,ウルグアイ・ラウンドで扱われた様々な分野における交渉成果を分析し,さらにそこでは交渉しきれなかった新分野の諸問題を検討した。新分野のなかでも「貿易と投資」の問題を特に詳しく検討し,The Case for a Multilateral Framework for International Investment Promotionという題で,米国アトランタ及びワシントンで開催された日米加3国の国際法学会が共同で主催した3カ国シンポジウムにおいて研究報告を行った。同名の論文が,来年刊行される同シンポジウムの報告書 (Trilateral
Perspective on International Legal Issues -- Book II) に掲載されることになっている。