表題番号:1995A-016 日付:2002/02/25
研究課題フランス競争法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 奥島 孝康
研究成果概要
フランス競争法の最近の発展は目覚しい。ミッテラン社会党政権の下においても,コアビタシオン(保革共存)の時代になると,EUの市場統合をも狙んで,産業保護法的色彩を濃厚に残していたフランス競争法は,急速に「競争法」として着実に純化されてきた。現在のシラク(旧ドゴール派)政権の下では,フランス史上最も市場経済化が進展してきているといってもよい。
もっとも,フランス競争法は,市場集中規制のみならず,伝統的に一般集中規制にその特徴があり,その意味では,競争制限行為に対するよりも,競争阻害行為,とりわけ支配的地位の濫用に厳しく,今後,この点がEU独禁法との関連でどう変化するのかが注目されるところである。