表題番号:1994C-022
日付:2002/02/25
研究課題「人工聴覚による音声認知能力の評価基準の標準化」国際シンポジウム
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 人間科学部 | 教授 | 比企 静雄 |
(連携研究者) | 北海道大学・電子科学研究所 | 教授 | 伊福部 達 |
(連携研究者) | 熊本大学・工学部 | 教授 | 渡辺 亮 |
(連携研究者) | 宇都宮大学・工学部 | 教授 | 鎌田 一雄 |
(連携研究者) | 筑波技術短期大学 | 教授 | 大沼 直紀 |
(連携研究者) | 上越教育大学 | 教授 | 星名 信昭 |
(連携研究者) | 愛媛大学・教育学部 | 助教授 | 高橋 信雄 |
(連携研究者) | Royal Institute of Technology | 教授 | Arne RISBERG |
(連携研究者) | Innsbruck Univ. | 教授 | Erwin S. HOCHMAIR |
(連携研究者) | Univ. College London | 教授 | Adrian FOURCIN |
(連携研究者) | City Univ. of New York | 教授 | Harry LEVITT |
(連携研究者) | Washington Univ. | 教授 | A. Maynard ENGEBRETSON |
(連携研究者) | Melbourne Univ. | 研究員 | Peter BLAMEY |
- 研究成果概要
- 内耳で音の振動を検知する感覚細胞が欠如している場合には,音響的に増幅した信号を伝える従来の補聴器が全く役に立たない。このような聴覚障害者に対して,音の振動を電気的な信号に変換して,内耳に微細な電極を植え込む手術をして,聴覚神経の末端から大脳の聴覚中枢へ伝える方式が,アメリカやヨーロッパやオーストラリアなどで開発されてきた。この人工内耳(cochlear implant)は,すでに10数ヶ国で2千人を越す聴覚障害者が,これを活用している。今後さらに飛躍的な性能の改良が期待されているが,このためには,各方式についての音声の認知能力の詳細な評価実験のデータが不可欠になる。
ところが,このような評価実験には,適切な被験者の長期間にわたる総合的な観察が必要なために,限られた研究機関でしか信頼できるデータが得られない。しかも異なる言語の音声によっているために,結果を相互に比較することができず,このことが,人工内耳の研究開発に致命的な問題になっていた。
このような事態を打開するために,文部省1992・1993年度科学研究費補助金国際学術研究(共同研究)「聴覚障害の補償・代行の有効性:音声認知能力の評価基準の国際的共通化」で,諸外国の人工聴覚の研究者と共同して,異なる言語の音声での評価結果を相互に換算する可能性を検討した結果,国際音声記号体系に基づく共通化の理論的な見透しが得られた。
そこで,本研究では,その相互の換算の具体的な手順を作成するために,国外の研究分担者と各種の言語の音声についての臨床的なデータを交換し,それらに聴覚での音声情報処理の特性の詳細な解析を加えて検討した。
これと並行して,それらの成果を踏まえて,国際的な評価基準を設定するための国際シンポジウムを,研究分担者が集まって1995年度に早稲田大学で開催する準備を進めた。