表題番号:1994C-013
日付:2002/02/25
研究課題International Symposium on Humanoid Robots(ヒューマノイドロボットに関する国際シンポジウム)
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 橋本 周司 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 成田 誠之助 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 白井 克彦 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助教授 | 笠原 博徳 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助教授 | 高西 淳夫 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助教授 | 菅野 重樹 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助教授 | 小林 哲則 |
(連携研究者) | 通産省機械技術研究所 | バイオロボティクス研究室長 | 谷江 和雄 |
(連携研究者) | Scuola Superiore Sant'Anna | Professor | Paolo Dario |
- 研究成果概要
- 本研究は,人間と接触しながら作業を行う人間形共同作業ロボットの基礎技術を確立することを目的とし,さらに,人間の生活空間で人間と共生する次世代情報機械としての“ヒューマノイドロボット”の本学における研究を国際的に広め,この分野の発展に寄与するために国際会議の開催をめざしたものである。
計画年度内に,いくつかの研究会を開催し国内外の研究者との交流を行うとともに,研究活動として,機械系,視聴覚系,頭脳系の個別サブシステムの技術開発に力を注いだ。また,これらを部分的に統合する試みも行った。具体的な研究経過および成果は以下の通りである。
1. 機械系では,人間の手と腕をリンクモデルとして扱った力学解析を行うとともに,実際の人間の3次元動作の直接計測を試みた。また,歩行軌道の計画を支援する対話型の2足歩行パターン作成システムを構築した。
これにより,人間形ロボットハンドと2足歩行系の設計基準が得られた。
2. 視覚系では,顔面筋シミュレーションシステムによる表現合成と音声駆動による発話動画像の生成を試みた。
また,音声と口唇運動の同期を手がかりとしてシーンから発話者を発見する手法を検討し,集団の中で対話
相手を認識することに成功した。
3. 音声系では,通常の室内環境での音声の実時間認識システムを作製すると同時に,実際の対話データの収集および分析を行い,構内案内の音声対話系を作成した。その結果,対話のシナリオによって音声認識の信頼
度を上げ得ることが判った。
4. 頭脳系では,サブシステムの接続を行うロボット内ネットワークの設計とその実験を行うと同時に,ロボットシステムで能率の良い通信プロトコルを検討した。
5. CCDカメラの眼球と頭部が独立に動くロボット上体と,簡単なジェスチャーの提示ができる腕を製作し,これに視覚系と音声系を結合して校内案内ロボットの試作実験を行った。試作した構内案内ロボットは移動し
ないものであるが,動作速度の著しくことなるサブシステム間の同期処理を円滑に行うためには,並列処理
系にロボット全体の状態を監視する機構が有効であることが判った。
これらの成果の一部は,日本ロボット学会,機械学会,情報処理学会などで発表されるとともに,1995年7月に早稲田大学で開催された,ロボットと人間の対話に関する国際会議(ROMAN'95)の特別セッションで公開された。現在,以上の成果に基づき,統合システムの製作が行われている。また,本グループが本年10月に開催を計画している国際シンポジウム“HURO '96”では,内外の研究者とのパネルディスカッションも計画している。