表題番号:1994B-032
日付:2002/02/25
研究課題文学研究向けの文献データライブラリの構築とその活用システムの開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 理工学部 | 教授 | 筧 捷彦 |
(連携研究者) | 文学部 | 教授 | 吉田 順一 |
(連携研究者) | 文学部 | 教授 | 竹本 幹夫 |
(連携研究者) | 文学部 | 教授 | 西本 武彦 |
- 研究成果概要
- 分系の研究では、その源を文献データにおくことが多い。その文献データを研究者それぞれが収集し検索できる形で整理しているのを、電子化し、検索も可能な形にして同じ分野の研究者で共用できるようにしよう、というのがこの研究の目的であった。
文献データの電子化にあたっては、OCRが活用できそうだ、ということで実験的な試みをすでにおこなってきていた(1)が、竹本は、実際に番外曲本文(田中允校訂『未刊謡曲集』(古典文庫本)の19巻分)を読み取らせ、校正を施して電子化テキストファイルを作成した(2)。また、竹本がこれまで整理を進めてきた、早稲田大学蔵能楽関係文書題目録について、ウェブを利用したデータベース化を筧と試作し、こうしたデータベースのあり方について一つの方向を示した。
吉田は、その研究分野から収集したモンゴル語による文献データを電子化することを目指した。そのためには、モンゴル文字そのものの入出力を可能とするシステムの作成が欠かせない。このシステムは、筧が中心となって開発を進めているが、この研究期間中には完成に至っていない。吉田は、この期間中もモンゴル語文献の収集・分類を手作業で進めてきており、1997年度中にも、実際にモンゴル語文献のOCRによる読みとりと、その校正作業に入る予定でいる(3,4)。
西本は、認知心理学の基礎演習に用いる教材の電子化を行って、一連の学習をパソコンベースで実施する準備を進めた。今回対象のしたデータはパターン認識や記憶実験で使用する視覚材料(命名やイメージの一致度で標準化された線画や図形)であり、今後これらの材料を使った演習プログラムを開設する予定である(5-7)。
(1) 吉田順一、竹本幹夫、筧捷彦:
分系各種資料のコンピュータ入力におけるOCR利用について,
Bulletin of the Center for Informatics,
Waseda University,
Vol.16,
pp.38-34
(1994).
(2) 竹本幹夫,
《念仏の猿楽》考,
今成元昭編『仏教文学の構想』,新典社,
pp.490-503
(1996-06).
(3) Kataoka, Y., T.I. Kataoka, K. Uezono, K. Kakehi, and H. Ohara.:
Multilingual Computing of All Characters in the World,
『1996年度「人文科学とコンピュータ」シンポジウム 予稿集』
(文部省科学研究費補助金重点領域「人文科学とコンピュータ」1996年度研究成果報告書(第3号)),
pp.97-108
(1996).
(4) Kataoka, T.I., K. Uezono, Y. Kataoka, J. Yoshida, H. Ohara and K. Kakehi: Problems and Solutions for Mongolian Related Scripts Text Processing,
『1996年度「人文科学とコンピュータ」シンポジウム 予稿集」文部省科学研究費補助金重点領域「人文科学コンピュータ」1996年度研究成果報告書(第3号)),
pp.81-96
(1996).
(5) 西本武彦:
顔認識における情報タイプ理論-サッチャー錯視の解釈とその検証,
早稲田大学大学院文学研究科紀要,
Vol.41,
pp.3-13 (1996).
(6) 西本武彦、林静夫:
記憶実験用picture刺激の標準化(第2次),
早稲田心理学年報,
Vol.28,
No.1,
pp.59-85
(1996).
(7) 西本武彦、高橋優:
記憶実験用の無意味絵(droodle)刺激,
早稲田心理学年報,
Vol.29, No.1,
pp.63-90
(1996).