表題番号:1994B-031 日付:2002/02/25
研究課題表面/界面微細構造制御による高機能膜材料の創製
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 逢坂 哲彌
(連携研究者) 理工学部 教授 黒田 一幸
(連携研究者) 理工学部 助教授 菅原 義之
(連携研究者) 理工学部 助教授 本間 敬之
研究成果概要
・無電解めっき法による高機能膜創製(逢坂,本間)
 高機能性薄膜の代表的な磁気記録媒体とヘッドそれぞれの薄膜材料の創製を行った。その結果,媒体としてはCoNiP系無電解薄膜において垂直記録方式でリングヘッドと組合わせて300KFRPIの線密度を示す媒体作成が可能となった。この媒体は,強磁性を示すCo粒子をNiP非晶質撒膜内に分散させるような偏析構造をもち,この構造はめっき浴中の錯化剤を選ぶことにより可能となることが明らかとなった。さらに,これら何種類かの垂直記録媒体(200nm厚)に極薄な面内記録層(30nm厚)を下地に組合せ,リングヘッドで評価すると効果的に出力が増加し従来型のシステムでこの複合媒体を利用すると十分な高記録密度を得られる可能性が得られた。
さらに,高密度記録用のインダクティブな書き込みコア材料にCoFePが有効であることを示した。
・多孔質有機修飾粘土膜コンポジット材料の創製(黒田,菅原)
層状粘土鉱物の中には,透明な薄膜を形成するものが知られており,また層間にイオンや分子を取り込む反応(インターカレーション)を行うこともできる。本研究では,光機能分子の組織化媒体としての粘土鉱物の可能性を探索することを目的として,粘土層間に比較的小さな陽イオンを導入して多孔性を持たせ,その後懸濁液からフィルムを形成させた。まず,アントラセンやサリチリデンアニリンを気相から吸着させ,その光過程から細孔内の環境を検討した。さらに,p-ニトロアニリン(PNA)を電場を印加しながらインターカレーションさせ,PNAが反転中心を持たないように配向していることを,非線形光学効果測定により明らかにした。