COVID-19の超高感度抗原検査

2020-1012-01
研究者名
研究者情報 伊藤 悦朗 教授
所属
教育・総合科学学術院 教育学部
キーワード

背景

◆ 現在新型コロナウイルス感染症の検査方法ではPCR法が確定診断法だと見なされている。しかし、PCR法は高感度な測定方法である代わりに、測定者の技術が必要であることに加え、結果が出る までに時間を要し、検査費用が高いことがデメリットとして挙げられる。
◆ 一方、抗原検査は簡単な操作でかつ短時間で測定結果が得られるが、検出感度が低いことが問題視されている。よって技術の必要が無く、かつ高感度な抗原検査法の開発が急務である。  

シーズ概要

◆ 抗原(タンパク質)を検出するシグナルを増幅することで高感度化が可能となる。我々は、サンドイッチELISA法にチオNADサイクリング法を組み合わせて、SARS-CoV-2のS1タンパク質を検出する超高感度抗原検査法を開発した。

優位性

◆ 我々の検査方法ではSARS-CoV-2のS1タンパク質を2.3×10-18 moles/assayの超高感度で検出することに成功した。かつチオNADサイクリングに要する時間は数十分で良い。 
◆ この感度はPCR法に肉薄する数値であり、PCR法に代わる検査方法になり得る可能性がある。 

応用・展開

◆ 本法はPCR法やすでに市場に出ている抗原検査法に代わる新規の診断方法として有用である。
◆ 特異的な抗体さえあれば、他の感染症にも応用可能である(高い汎用性)。

資料

他のシーズ

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掲載日: 2020/10/27